血液循環と皮膚温
皮膚の毛細血管は拡張したり収縮したりすることにより、体温を一定に保つ体温調節の働きをしている。
■暑くなると、毛細血管は拡張し、多量の血液を流して熱を身体の表面から逃そうと働く
■寒くなると、血管が収縮して流れる血液の量を少なくして熱を対外に逃さないように働く(冬場、手足や頬が冷たいのはこの作用に夜もの)
IIホメオスタシスと4つの要素の良循環
皮膚は様々な要因から悪影響を受けているが、その際、皮膚は本来の健康な状態に自らの力で戻ろうと働く。これを「ホモオシタシス(生体恒常性)維持能力」という。
このホメオスタシス維持能力が機能していれば、皮膚を良好な状態に保つことができる。
②4つの要素の良循環
「角層」「表皮」「真皮」「血液循環」の4つの器官や働きは、相互に関わりあって影響を及ぼしながら循環している。
血液から酸素と栄養を充分に取り込んだ真皮や表皮の細胞は、良好な状態を保つことができる。
また、真皮が良好であれば、表皮も良い状態になり、表皮の一番外側にある角層も充分に機能する。角層の状態が良好であれば、表皮や真皮がダメージを受けにくくなり、皮膚全体の働きが高まる。
逆を考えると、ある一つの器官が不調に陥ると、他の器官に連鎖的に悪い影響を及ぼし、皮膚全体の働きが弱まって、老化を促進したり、様々な肌悩みにつなガル。
健康で美しい肌を保つためには、ホメオスタシス維持能力が充分に働き、4つの要素全ての働きや状態を良好に保つことが重要といえる。
Ⅲ美しい肌の指標
目で見て、手で触れて、実感できる美しい肌の指標は以下の3つ。
1、みずみずしいうるおいが感じられる
↓
角層の状態が良好で水分が充分に保たれている
(見た目)「キメがそろっている」
(感触)「しっとりとして、やわらかい」
2、血色がよく、透明感がある
↓
表皮のターンオーバーが順調で、角層の肥厚がなく、メラニン代謝も良好
(見た目)「くすみがなく、明るく透明感がある」
(感触)「ゴワゴワした感じがなく、なめらか」
3、ハリ・弾力がある
↓
表皮の働きが良好で、コラーゲン・エラスチン・基質などが充分につくられている
(見た目)「深いシワやたるみがない」
(感触)「肌を押すと弾むようなハリがある」
血液循環と皮膚の関係
血液の流れがスムーズであれば、皮膚のすみずみまで充分な栄養が供給される。真皮全体に毛細血管が分布しており、真皮の最上部の乳頭層にも密集している。この毛細血管から真皮のすぐ上にある表皮に栄養が届けられる。