免疫力でさまざまな病気を予防・改善できる

インフルにかんせんしても免疫力で発症させない

免疫は、健康を損なう原因物質から体を守る総合的な仕組みなので、免疫力を上げると、予防・改善につながる病気が数多くあります。

日本人の死因1位となっているがんを予防するには、NK細胞の活性化が大切です。

前述したように、NK細胞は全身をパトロールして、がん細胞を見つけたら除去し、増殖を防ぎます。

免疫力が高ければ、インフルエンザに感染しても、発症しないことがあります。また、発症したとしても、戦った相手の特徴を記憶し、再発見した時は、B細胞がすぐに攻撃してくれます。

ノロウィルスやO157などの感染症は、早い段階で病原体を弱体化させることが大切です。マクロファージやNK細胞などの自然免疫が活発に働くと、無症状や軽い症状で済みます。

マクロファージは大型の免疫細胞で、異物を発見すると、包み込んで処理します。アルツハイマー病(認知症)の原因であるアミロイドβも処理するため、免疫力を上げると、アルツハイマー病の発症を防いだり、進行を遅らせることが期待できます。

 

免疫力の状態はメンタルにも影響する

ピロリ菌の感染が原因ですが、免疫細胞はピロリ菌を攻撃します。また、胃壁の炎症原因物質を取り込み、つらい痛みや吐き気などの症状を緩和します。

 

このほか、糖尿病などの生活習慣病、肺炎、花粉症、アトピー性皮膚炎、慢性疲労症候群なども免疫力を上げると、予防や改善が期待できます。近年、免疫とメンタルの関係が注目され、研究が進められています。