各器官の働き
●皮脂膜
汗腺と皮脂膜から分泌された汗と皮脂が皮膚表面で混ざり合ってできる膜。
皮膚のうるおいを保ち異物などの侵入から皮膚を守る働きがある。
【表皮】
角層を含む皮膚の表面に当たる部分。
上から順に、角層、顆粒層、有棘層、基底層で構成されている。
新たな細胞は基底層で生まれ(分裂)、有棘細胞から顆粒細胞と形と働きを変えながら角層細胞に変化し(分化)、最終的に角層をつくる。
●角層
表皮の一番外側で外界と接し重要な2つの役割がある。
・皮膚の水分蒸散を防ぎ、外界の刺激から皮膚を守るバリア機能を備えている。
・皮膚のうるおいを保つ保湿機能を備えている。
●表皮突起・乳頭層
表皮と真皮の境目にある波状のもので、表皮から真皮に向う突起を表皮突起、真皮から表皮に向かう突起を乳頭層という。
この凸凹が皮膚に弾力をもたらしている。
【真皮】
皮膚の土台となる部分。皮膚のハリ・弾力を保つ中心的存在。
繊維芽細胞がコラーゲンやエラスチン、基質を産生している。
●汗腺(エクリン腺)
汗を分泌する。
●皮脂腺
皮膚を分泌する。毛包(毛穴)に付随している。
●血液・血管
真皮全体に細かな毛細血管が分布。血管には動脈と静脈がある。
・動脈---栄養素や酸素を各器官に運ぶ。
・静脈---不要になった老廃物や二酸化炭素を運ぶ。
【皮下組織】
脂肪細胞があり、ここで脂肪をつくって蓄える。皮下組織の下に筋肉・骨がある。外からの衝撃をやわらげ筋肉や骨に、強いショックを与えないように身体全体のクッションの役割がある。
●保護機能
・物理点保護機能
真皮と皮下組織は外界の強い力が体内に直接影響を与えないよう、クッションのような役割をして刺激をやわらげている。
・紫外線に対する防御機能
表皮に存在しているメラニン色素は紫外線の悪影響が体内に及ばないよう、紫外線を吸収し防御している。
・角層のバリア機能、保湿機能
表皮の角層は、体内の水分が蒸散することを防ぎ、異物の侵入を防ぐバリア機能を備えている。また、水分を保持して皮膚のうるおいを保つ保湿機能も備えている。
・微生物などからの防御機能
免疫に関係のある皮膚細胞が、有害な物質や細菌の侵入を防ぐ。
●知覚機能
刺激を感じる細胞(皮膚感覚受容器)が、ものに触れた時に熱さや、痛みなどを感じて、身体に警報を送る機能。痛みを感じる感覚、熱さや温かさを感じる温覚、冷たさを感じる冷覚、物がう触れていることを感じる触覚、何らかに押されていることを感じる圧覚がある。これらの知覚は神経を通して大脳へ送られ、抹消神経から身体の反応へと伝わる。