基底膜の状態が整っている
基底膜は表皮と真皮の境目に存在する0.1ミクロンの膜で、健康な表皮を維持する上で重要な働きを担っている。
基底膜の厚さ 0.1μ(ミクロン)=1 / 10000mm
<基底膜の働き>
・表皮と真皮をつなぐ働き
基本的に、表皮と真皮は全く異なる組織。基底膜は、外から力が働いた際も表皮が簡単に真皮から剥がれないようにつなぎとめている。
・表皮と真皮のコミュニケーションをとる働き
基底膜は、表皮と真皮の機能を維持するための情報を伝達する。
また、表皮と真皮の間の栄養物、老廃物、情報伝達物などの移動にも関わっている。
表皮の基底層にはメラニン色素をつくるメラノサイト(色素細胞)がある。メラニン色素の代謝がスムーズな状態であれば、皮膚内部にメラニン色素の沈着もおこりにくい。
<メラニン色素の役割>
メラニン色素は、肌や毛髪などの色をつくる色素物質。基底細胞の間に存在するメラノサイトという細胞の中でつくられる。メラノサイトの中のメラノソームという袋の中で幾つかの行程を経てメラニン色素がつくられ、まわりの細胞に送り込まれる。
メラノソームの中には、プレメラニンと呼ばれるメラニン色素になる前の物質も含まれている。
メラニン色素は肌色を決める働きがあるとともに、天然のサンスクリーンの役割も果たす。メラノサイトは強い紫外線を浴びると働きが活発になり、メラニン色素を大量に生成する。過剰な紫外線を浴びると、生成されたメラニン色素は細胞の核の上に集まって大切な遺伝子を守るという働きがある。日焼けして肌が黒くなるという現象は、メラニン色素がサンスクリーンのように細胞を守ろうとした結果である。
表皮はターンオーバーを繰り返すことにより生まれ変わっている。メラニン色素もこのターンオーバーによって徐々に肌表面へと押しだされて剥がれ落ちる。ターンオーバーが正常に行われていると、メラニン色素は常に滞ることなく代謝され一定の肌色を保つことができる。ターンオーバーが正常に行われていないと、メラニン色素が肌に滞り、黒くなったままの状態が続き、シミ、ソバカスを引き起こしてしまう。
紫外線の刺激を受けると「メラニンをつくれ!」という情報がメラノサイトにつくられる。そうすると、メラノサイトの働きが活発になり、メラニン色素を大量につくり続ける。
紫外線→メラノサイト
紫外線を浴びる
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メラノサイトが活発に働く
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同じく酵素チロナーゼがドーパを酸化させドーパキノンに変化
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黒褐色のメラニン色素となる