整っている状態の真皮とは
整った状態の真皮は以下の2つの条件を満たしている。
1.線維芽細胞の働きが順調である
線維芽細胞は、自らが分裂して線維芽細胞を産生し、皮膚の弾力のもととなるコラーゲン・エラスチン・基質を産生する。また、古くなった線維や基質の中の成分を分解する重要な役割もあり、真皮の母とも言える重要な存在である。
線維芽細胞が活発に働いていると新陳代謝がスムーズに行われ、ハリと弾力のあるみずみずしい皮膚を保つ。線維芽細胞が機能するためには、血液からの充分な栄養補給が必要である。また線維芽細胞は、外界の刺激にも影響されやすいため、表皮のダメージは間接的に線維芽細胞に影響を及ぼす。
老化や紫外線などのダメージにより線維芽細胞が衰えて働かなくなると新陳代謝は鈍り、真皮全体が緩んだ状態になり結果的に皮膚にシワやたるみが現れる。
2.コラーゲン・エラスチン・基質の状態が良い
コラーゲン・エラスチンは、皮膚に弾力を与え、皮膚内部を外界から保護する働きがある。基質は線維と線維の間を満たしているゼリー状の物質で皮膚にやわらかさをもたらすことについて重要な役割をする。コラーゲン・エラスチンが充分に産生されなかったり、衰えたりすると弾力を失い、基質(ヒアルロン酸など)が失われると水分が減少していく。
血液循環が良い
皮膚には多くの血管が存在しており、皮膚の健康を保つために重要な役割をしている。
血液循環と皮膚の関係
血液の流れがスムーズであれば、皮膚のすみずみまで充分な栄養が供給される。
真皮全体に毛細血管が分布しており、真皮の最上部の乳頭層にも密集している。この毛細血管から、真皮のすぐ上にある表皮に栄養が届けられる。血液中に充分な栄養が含まれ血液の流れが順調な時は、新陳代謝もスムーズに行われ皮膚の生理機能が高まる。
【血液と血管の働き】
皮膚の血液循環には2つの働きがある。
1.皮膚に酸素や栄養を供給し、老廃物や二酸化炭素を運び去る働き。
血管には主に動脈、静脈と毛細血管がある。
2.体温を調整する働き。
動脈---食物から得た栄養素の他、身体の各器官で分泌されたホルモン、呼吸から得た酸素など、身体に必要な成分を各器官に運ぶ。
また、血液中の栄養や酸素が動脈性毛細血管の薄い壁からにじみ出て、リンパ液となって各組織の細胞に供給される。
静脈---不要になった老廃物や二酸化炭素を運ぶ。リンパ液が皮膚の各組織から発生した老廃物や二酸化炭素を受取り、静脈性毛細血管を通じて静脈に戻る。